口笛の音色で世界の頂点を競う口笛世界大会が川崎市で開かれた。この大会は2年に1度、川崎で開催されている。口笛といっても多種多彩で、楽器を弾きながら口笛を吹いたり劇や踊りを取り入れたりしており、ことしは6か国121人がエントリー。音程や表現力、オリジナリティーなどが審査される。大会2週間前、出場者たちは最後の仕上げをしていた。ランニングと口笛の練習が日課という公務員の海老原雅司は前回大会で3位の実力者。得意とするのは口笛を速く吹く速吹きだ。きっかけは学生時代の吹奏楽部。口笛でメロディーを吹きながら打楽器を練習していたところ、速い曲も吹けるようになった。速吹きに磨きをかけて優勝を目指す。一方、口笛大会に挑む若手もいる。中学2年生の石野維人は小学2年生のときからプロの口笛奏者のレッスンを受けている。二人三脚で挑んだ前回大会ではチャイルド部門で3位だった。今回はレベルが上がるティーン部門に初挑戦。特訓しているのは繊細な表現が求められるショパンのノクターンだ。大会当日、猛練習を重ねてきた石野は表現の幅がぐっと広がっていた。そして海老原も得意の速吹きの技を次々と繰り出した。結果は。海老原は3位、石野は入賞を逃した。3位に入賞した海老原の思う口笛の魅力は「どんな曲でも、どんなジャンルの音楽でもできること」だという。