岸田総理大臣は北朝鮮による拉致問題の解決を求める集会に出席し、「トップ同士が腹を割って率直に話し合える関係をまず構築していくことが極めて重要になる。(日朝首脳会談の)早期実現に向け、働きかけを一層強めていく」と述べ、北朝鮮・金正恩総書記との首脳会談の実現に向け働きかけを一層強めると決意を示した。「金総書記との会談に向け私直轄のハイレベルで協議を行っていく」と初めて表明してから1年、交渉を後押しする環境は整いつつある。一つは家族会が「被害者全員の即時一括帰国が実現するなら独自制裁の解除に反対しない」という運動方針を打ち出したこと。もう一つは、米国や韓国との関係強化によって北朝鮮に対し、連携して立ち向かうことができているということ。政府内からは、まずは「金総書記と会うだけでも一歩前進ではないか」との声が聞かれるが、ある政府関係者は北朝鮮との交渉について「そもそも針の穴があるのかどうか」と話しこう着状態をにおわせている。横田めぐみさんの母親・横田早紀江さんは「心からお願いする。返してください」と語った。被害者や家族の高齢化が進む中目に見える結果が求められる。