EU(ヨーロッパ連合)の重要な政策を左右するヨーロッパ議会選挙は6日から一部の国で投票が始まる。選挙では、EUに懐疑的な右派や極右の政党が議席を伸ばすと予想され、世界をリードしてきた気候変動対策などの分野で政策の進め方に変更を迫られる可能性もある。ヨーロッパ議会選挙では、人口に応じて加盟各国に割り当てられた合わせて720の議席を巡り、国ごとに投票が行われる。6日はオランダで始まり、最終日の9日にはフランスやドイツなどの主要国で投票が行われる。選挙の争点の1つがEUが主要政策として掲げる気候変動対策。EUに懐疑的な右派や極右の政党が批判を強めている。その1つ、ドイツの右派政党「ドイツのための選択肢」。EUが温室効果ガス削減のため国民に高価なEVの購入などを押しつけていると主張。物価の高騰や移民難民の流入など課題が山積する中、気候変動対策を優先していると訴え、支持を広げている。こうした状況に警戒感も高まっている。先月31日には、ドイツなどヨーロッパ各地で気候変動対策に反対する政党に投票しないよう訴えるデモや集会が一斉に開かれた。ただ、政治専門サイト「ポリティコ」による予測では、今月4日時点で、EUに懐疑的な右派や極右の政党が議席の20%以上を占める勢い。専門家はこうした勢力が躍進すれば、対策への影響は避けられないと指摘する。