ハンガリー・パクシュ。人口約2万人。穏やかなこの街に、ロシアとの関係を伺える重要な施設がある。約40年前から稼働してる「パクシュ原発」。使われてるのは旧ソビエト式の4基の原子炉。燃料はロシアから買い続けてる。今、ハンガリーがロシアと協力して新たな原発を建設してる。建物の建設を担うのは、ロシア国営「ロスアトム」。総工費8割(1兆7000億円)をロシア政府の融資で賄う予定。ハンガリーとロシアがロスアトムによる原発建設に合意したのは、2014年1月。ロシアがクリミアの一方的な併合の少し前から両国関係は強化されてきた。ハンガリー政府は、おととし、原発計画を加速すると発表。2030年を目処に2基の原子炉運転が始まる予定で、すでにある原発と合わせ、電力需要の約7割を生産できるという。ハンガリーでは物価が高騰し、インフレ率が一時25.6%に達するなどEU加盟国で最高に達した。エネルギー価格高騰について、与党は、EUによるロシアへの経済制裁が失敗したことが原因と強調した。9日に開票が行われた「ヨーロッパ議会選挙」。オルバン首相を率いる与党は、「戦争か平和か」のスローガンを掲げて選挙キャンペーンを行なった。与党の主張は、”ウクライナへの軍事支援やロシアに対する経済制裁をやめ、今すぐ停戦するべきだ”というもの。政府は、これまでに築いたロシアとの強固な関係は、和平交渉の実現にも役に立つと主張する。ヨーロッパ議会選挙の結果、ハンガリーでは21議席のうち与党が11議席を獲得し、過半数を維持した。