デジタル規制の第一人者の、コロンビア大学・アニュ・ブラッドフォード教授にインタビューする。ヨーロッパ委員会のアドバイザーで、日本語でも著作は翻訳されている。ブラッドフォード教授は「技術力、経済力、地政学的、社会的、文化的な影響力において前例のない規模の力を手にしている。世界的にこうしたテクノロジーには一定のルールが必要だという合意が形成されている。特にAIについてはほとんどの政府が何らかの規制の枠組みを設けることを検討している」と話した。ブラッドフォード教授は3つのモデル(アメリカの市場主導モデル、中国の国家主導型のモデル、EUの権利主導モデル)があるという。アメリカの市場主導モデルは政府の介入や規制を最低限に抑え、規制よりも発展の速度や市場競争を優先、巨大IT企業が次々誕生している。中国の国家主導モデルは国家が強く統制、政府は技術発展を支援し、技術は監視や検閲に使われることもある。技術は国家のためという価値観が背景にある。EUの権利主導モデルは、個人の権利や尊厳を中心、個人情報の保護を目的とした規制GDPRが有名。日本はアメリカとEUの中間にあるとブラッドフォード教授は話した。世界で広がっているのは、国家主導モデル。アフリカ、中南米、アジアの国に5Gや海底ケーブル、データセンターなどデジタルインフラを提供。ブラッドフォード教授は提供とともに中国は価値観まで輸出したという。技術革新は目まぐるしいスピードで進んでいく。一方政府による規制により立法に時間がかかるためゆっくりと進む。“Don't ask for permission, ask for forgiveness”の紹介。ブラッドフォード教授は「AIは単なる技術ではなくその技術が民主主義をどう形作るかという問題。AIの開発者たちは民主主義の専門家ではない。だから法律を作ることが必要」と話した。
