名古屋市東区にある徳川美術館には、徳川家に伝わる特別な沈香が残されていた。学芸員の並木昌史さんは、沈香の中でも最上級のものと伽羅と呼んでおりますと話す。かつてベトナムで算出した伽羅と呼ばれるこの沈香は幻の香木。まさに権威の象徴とも呼べる伽羅は、奈良の正倉院に残されている蘭奢待。調停に代々伝わる巨大な伽羅は、しばしばときの権力者が一日を切り取り力を誇示してきた。香道御家流の三條西堯水さんは、香道とは、東南アジアで採れる香木の香りを楽しむための遊びだという。香道では聞香炉と呼ばれる香炉の上に伽羅などの香木を乗せ香りを閉じ込めるように聞くのがお作法。実は家康は集めた伽羅を調停や公家に献上し、政治工作に利用していたという。
住所: 奈良県奈良市雑司町129
URL: http://shosoin.kunaicho.go.jp/
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