去年、結婚した60代の木村さん夫妻(仮名)。子どもがいない夫・恵一さん(仮名・69歳)は家庭を持つことに憧れを持っていた。妻・里美さん(仮名・67歳)は当初、この歳で再婚することに不安があった。2人は結婚するにあたり、その不安を一つずつ解消していった。まずは生活費。お互いに自分の貯金や年金について伝え合った。次に課題となったのはどこに住むか。恵一さんは奈良、里美さんは神戸で一人暮らしをしていた。里美さんは子どもと孫が遊びに来る家をそのまま残したいという気持ちが強かった。2人が選んだのは別居婚。出会ってから2か月の頃に浮かび上がってきたのが健康問題。里美さんが恵一さんの背中に違和感のある膨らみを発見。病院に行ったところ、腫瘍が見つかった。良性だったものの、これからは年に1回、健康診断を欠かさないことを約束した。里美さんが最も気がかりだったのは子どもの反応。結婚を考え始めてすぐに相談。次男は拒否するという感情は出なかったと話した。出会ってから4か月、恵一さんと里美さんは結婚に踏み切った。結婚から1年、恵一さんは子どもたちとの食事会を企画した。長男は恵一さんについて、父親ではないが、母にとって大事な人だと話した。恵一さんは想像した以上の喜びを感じていると話した。この日は「母の日」。里美さんは3人からバラの花を受け取った。