トランプ関税をめぐり、アメリカが揺れている。ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊でトランプ大統領の就任を心待ちにしていた人達がいる。地元の鉄鋼業界で働くブライアン・パブラックさんとアール・カウフマンさん。アメリカ大統領選挙では、所属する労働組合が、民主党のハリス氏を支持する中、「トランプ氏を支持する鉄鋼労働者」というグループを結成した。当初5人だったメンバーは、3か月間で全米2000人超にまで増え、ペンシルベニア州でトランプ氏の勝利を後押しした。パブラックさんが支援する理由は「関税」。鉄鋼業界では雇用や先行きへの不安が高まっている。トランプ氏は、1期目の政権で海外からの鉄鋼製品に高い関税を上乗せする措置を導入し、今回の選挙でも関税で鉄鋼業を守るとした。一方で、それを不安視する人もいる。バッグデザイナーのシェリル・モージーさんは自身がデザインしたバッグを手頃な価格で販売したいと、中国で製造している。トランプ氏はこれまで中国からの輸入品に10%の追加関税を課す方針を明らかにしており、モージーさんにとってはコストが増える可能性がある。