きのう、群馬県前橋市の駐車場ではフリーマーケットが開催されていた。この日、前橋の最高気温は28.9度で参加者は冷却シートを貼るなど対策をしていた。気象庁によると、この先7月にかけて、全国的に気温が高くなる見込みで、記録的な暑さになるおそれもある。猛暑に負けないため、今、呼びかけられているのが体を暑さに慣れさせる、暑熱順化。そのポイントは、汗。群馬県前橋市にある北消防署では真夏のような日ざしの中、訓練が行われていた。消火訓練が終わると始まったのはランニング。ふだんとは違い、厚手の防火服を着たままだ。これが暑熱順化トレーニングになり、真夏になる前に、暑さに慣れるという。暑さに慣れていない人と、暑熱順化で暑さに慣れている人では、慣れていない人だと汗をかきづらく、体の外に熱が逃げないため、体温が上がりやすい。一方、暑さに慣れている人は汗をかきやすくなり、体の中の熱をより効率的に逃がし、体温が上がりにくい。この消防署では、今月からトレーニングを開始。気温が26度を超える中、ランニングすること20分、訓練終了のときにはかなりの汗かいていた。汗をかくことがポイントの暑熱順化を取り入れる学校もある。栃木県立宇都宮高校の剣道部で取材をすると夏本番に向け、ウォーミングアップの時間を増やし、汗をかきやすい体作りをすすめていた。今の顧問が担当になってからの5年間、熱中症にかかった部員はいない。部員の体温を3回に分けてチェックすると練習前は36.8度、ウォーミングアップ後は37度、練習後は37.5度だった。映像と体温のデータを、暑熱順化に詳しい日本医科大学救急医学・横堀将司教授に見てもらうと「しっかりと汗、かいてる」と評価。また「特に、運動強度の強い運動をすると、体温って38度超えてくるぐらい、高くなってくるですけども、そういった中でもしっかり、体温コントロールして、順応できてるんじゃないかなと思う」とコメントした。