国土交通省は平成22年度から250メートル四方の間隔で雨雲を捉えることができる高性能の「Xバンドレーダー」の配備を進め、気象庁のウェブサイトなどで情報を公表するとともに、河川の管理などに役立てている。これまでに39基が設置され、さらにレーダー雨量計の精度を検証する測定器も各地の出先機関に数台ずつ配備されていたが、会計検査院がこの測定器の使用状況を調べたところ、東北地方整備局では配備された6台すべてが昨年度までの10年余りの間、一度も使われていなかったことがわかった。雨量解析の精度向上に役立てることも測定器調達の目的の1つになっていたが、東北地方整備局では、こうした使い方もされていなかった。1台で観測できる範囲などを考慮すれば6台のうち4台は必要なく、およそ2800万円が余分に支出されていたという。会計検査院から指摘を受けた国土交通省は、使用状況を一元的に把握する仕組みを作ったうえで公費で購入した機器をきちんと活用するよう、各地方整備局に周知した。