パリ五輪柔道男子60kg級で、永山竜樹が銅メダルを獲得。大会で待ち受けていたのは想像を絶する“逆境”だった。準々決勝では去年の世界王者・ガルリゴスとの対戦。審判が“待て”を出しても相手が締め続け、永山は失神。ガルリゴスの一本勝ちの判定。試合後も納得のいかない表情だった永山。試合後約5分間、畳から降りなかった。監督が必死の抗議を行うも、判定は覆らなかった。永山は敗者復活戦に臨んだ。永山は北海道美唄市出身。柔道人生の始まりも逆境だった。北海道の小学校を卒業後、愛知県の名門中学へ進学。小さく華奢だったという永山は高校時代からは肉体改造に取り組んだ。担ぎ技が代名詞となった永山は徐々に頭角を現し、名門・東海大学へ進学。そこで待ち受けていたのは、既に世界で活躍し、同じ60kg級の“顔”で知られる高藤直寿氏。柔道グランドスラム大阪では高藤からオリンピックの座を奪うことができなかった。しかし7度目の対戦で五輪代表の座を獲得。敗者復活戦では楊勇緯選手と対決で技ありで勝利、S.イルディス選手との3位決定戦も勝利し銅メダル獲得となった。