南海トラフ巨大地震の想定震源域のうち、高知県の室戸岬から宮崎県沖の日向灘にかけては津波の観測点が陸域の周辺に限られており、沖合は“観測網の空白域”とされていた。このため防災科学技術研究所は「N-net」と呼ばれる海底地震計や津波計の整備を進め、これまで計画の半数に当たる18か所に設置されている。これらの観測点は今年7月からの試験運用でデータの品質が確認され、今月21日から気象庁の津波観測に活用されることになった。気象庁によると、観測点の周辺で津波が発生した場合、これまでと比べて最大で約20分早く検知できるという。また津波警報を大津波警報に切り上げるといった作業が早まることも期待されている。