14年前の東日本大震災では、これまでの地震学では滑らないと考えられていたプレートの浅い部分まで滑り、巨大津波を発生させた。 なぜ浅い部分まで滑ったのか。この現象を解き明かすため、2012年に震源域で掘削調査を実施し、地盤の一部を採取した。プレートの浅い部分にはスメクタイト粘土という火山灰の堆積物が全体の80%占めていることが分かった。摩擦を加える実験装置で実際に地震が起きたときと同じ環境を再現すると、通常時と地震時の摩擦係数はほぼ同じで非常に滑りやすいことがわかった。南海トラフ地震のプレート境界にも、スメクタイト粘土が含まれているが割合は全体の20%程度。しかし実験の結果、地震時は東北と同じくらい滑りやすいことがわかった。