能登半島地震で救助が必要な人の捜索が課題となったため、総務省は大規模災害の際には自治体がまとめる安否不明者のリストから救助機関が必要な人を絞り込んだうえで、携帯電話会社が位置情報を提供できるようにする方針を決めた。総務省の新たな方針では、大規模な災害が起きた際、救助機関が自治体の安否不明者リストから要救助者を絞り込んだ場合、携帯電話会社は位置情報を提供できるとしている。また携帯電話の電源が入っていない場合には過去の位置情報も提供できるほか、提供先として警察や消防などの救助機関のほか、新たに地方自治体の災害対策本部を加えるとしている。国のガイドラインでは大規模災害時には携帯電話会社が要救助者の携帯電話の位置情報を提供できるとされているが、早期に発見するために不可欠な場合に限られ、救助機関側があらかじめ提供が必要な要救助者と本人の電話番号を特定することが前提になっていた。ただ1月の能登半島地震では捜索難航する中、石川県がのべ1000人を超える安否不明者のリストを公表し、消防庁がこのリストをもとに携帯電話会社に対し電話番号を検索して位置情報を提供するよう初めて要請した。このうちNTTドコモは特定できた68件の位置情報を提供し、安否不明者の所在確認などに使われたという。総務省は位置情報の提供に関する新たな方針について今後、事業者や自治体などに通知することにしている。