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- 長谷川博己
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2016年1月に交付が始まったマイナンバーカードは、国民の78.5%が保有する。データベースと連携することで様々なサービスが利用可能になる。約8割の市区町村が導入しているが、名古屋市は政令指定都市で唯一対応していない。前名古屋市長の河村たかしはマイナンバー制度そのものに反対してきた。4月中旬、名古屋市役所では2027年のコンビニ交付導入に向けて動き出していた。河村市長時代、住民からのコンビニ交付を望む声は年間9000件を超えた。3月からは運転免許証として利用でき、4月には複数の銀行口座と一度に紐づけすることも可能に。今後iPhoneにも機能が搭載される予定。マイナンバーカードの可能性に注目し、役立てようと奮闘する人たちを追った。
2023年に全国の医療機関でマイナ保険証の導入が原則義務化されたが、扱いに手こずる患者が相次いでいた。5月に発表された全国調査では、約9割の医療機関でトラブルが起きたと報告された。導入した政府の狙いは、受診歴や薬などのデータが病院や薬局に共有されることで速くて正確な治療が受けられるというものだった。
救急の現場ではマイナ保険証を活用するマイナ救急という試みが始まっている。専用のタブレットにマイナカードを射し込むと、名前や年齢、受診歴、健康診断の結果まで情報がひと目でわかるシステム。消防庁の安藤さんは、マイナ救急がある場合とない場合の違いを知ってもらうため、各地の消防本部を回っていた。政府はこの取り組みを秋にも開始すると発表した。それに先駆け、4月から順次全国720の消防本部で実証事業が始まった。マイナカードを携帯していなかったり保険証との紐づけがなかったりと、次々課題が出てきた。
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平塚市では全国で最も早くマイナ救急の実証事業を始めた。救急要請があった女性の現場では、マイナ保険証でかかりつけの病院が判明し、迅速に搬送された。マイナ救急で得た情報は隊員のタブレットでしか確認できず、病院側でも改めてカードを読み込む必要があった。こうした二度手間をなくすため、消防庁はタブレットで読み込んだ情報を搬送先の病院とも共有する機能を検討している。
消滅可能性自治体の一つに数えられる富山・朝日町では、マイナカードを活用した新たな行政サービス「ロコピ」が去年始まった。町民の4分の1が使っており、28か所に設置された端末にカードをかざすとポイントがもらえる。年に4回行われる抽選会でポイントが使える。景品は町の特産品など。マイナカードには空き容量があり、自治体などが自由に活用できる。カードをタッチした日時のデータを蓄積すると、住民がどの施設をよく利用しているのかわかり、効率的な人の配置や予算配分につながる。地方創生の事業を模索していた博報堂とタッグを組み、マイナカードを使ったサービスに挑戦した。
富山・朝日町では、マイナカードを活用した地方創生に活路を見出し取り組んできた。マイナカードに現金をチャージして支払いに使う地域通貨「LoCoPiあさひまち」という日本初のサービスも動き出していた。朝日町では所得の半分程度が町の外に流れていたため、地元でしか使えないあさひまちコインを広めていた。利用者を増やすため、期間限定でチャージした金額に町の予算で10%を上乗せするキャンペーンを実施していた。2月にキャンペーンが始まり、町のショッピングセンターにチャージできるブースを設置したが、誰もチャージしてくれなかった。中にある大阪屋ショップは町唯一のスーパーだが、あさひまちコインが使えなかった。導入に向け、スタッフの不安を払拭させるために役場の担当者が説明に訪れた。大阪屋ショップで支払いができるようになると、多くの人がチャージをしてくれた。町の商工会でも、事業者からあさひまちコインを使いたくなるキャンペーンを始めたいという声があがった。
あさひまちコインの目標チャージ額は5500万円だったが、結果は4006万6400えんだった。目標には届かなかったが、コインを使える店舗は30から64に増えた。
次回予告。