アパレル業界は、衣服の製造・販売から廃棄まで、環境に大きな負荷がかかっていることが課題となっている。こうした中、衣服を少しでも長く着ることが見直され、新たなビジネスが始まっている。都内のアパレルベンチャー企業は、客から送られてきた衣服の修復サービスを先月から本格的に始めた。洋服の寿命を延ばすために開発した機械を紹介。例えば、Tシャツを何度も着て洗濯を繰り返すと、生地が薄くなって透けたりする。そこで、この機械を使って光を遮る効果のある酸化チタンを含んだ特殊な溶剤を吹きつけると、透けた感じが和らいだ。料金は1着およそ3000円から。ほかにもしょうゆの染み汚れや花粉を防ぐ加工も選べる。高級ブランドの服を長く着たいと依頼してくる客が多いという。こうしたビジネスが立ち上がった背景には“持続可能なアパレル業界を目指す”世界的なトレンドがある。例えばフランスでは、衣服を店で修理してもらうと、消費者に6ユーロから25ユーロの補助金が支給される制度が去年10月から始まった。さらにEUでは去年12月、未使用の繊維製品の廃棄を禁止する法案が大筋で合意されるなど、衣服のごみを減らそうという動きが加速している。こうした中、新品の段階から長く着られるように加工した衣服が日本でも続々登場している。東京・渋谷区にある眼鏡専門店では、去年10月に店員の制服を一新した。素材に汚れやしわを防ぐ特殊な加工を施したポリエステル素材を使っている。洗濯を繰り返して半年着たものと新品を並べた映像を見ると、違いが分からない。店員は「しわがつきづらい、お手入れが楽になった」と述べた。この制服を手がけたアパレルブランドでは、ほかにもさまざまな手法で衣服の寿命を延ばそうとしている。宇宙飛行士用にJAXAも参加して開発した繊維で作られている衣服は、臭いや黄ばみが抑えられるため、劣化が進みにくくなっている。売れ残ったジーンズの生地を組み合わせた上着は、廃棄せず新たな衣服として着てもらおうと考えた。大手でも衣料チェーンのユニクロが一部の店舗で補修を受け付けるなど、こうした取り組みは広がっている。サステイナブルに言及。東京都中央区、横浜市西区の映像。アパレルベンチャー企業・鈴木素社長、マーケティングディレクター・坂田文子さんのコメント。