5年前の2019年、金融庁の審議会が発表した老後に必要な貯蓄額2000万円問題。退職後の夫婦をモデルにしたケースでは、日々の生活に必要な出費が月26万4000円に対し、年金などの収入が20万9000円にとどまるため、月々5万5000円の不足が生じる。これが30年続くと考えた場合、およそ2000万円準備が必要になるとして波紋が広がった。ファイナンシャルプランナー・山崎俊輔さんは、物価の変動を示す消費者物価指数をもとに、今後物価が年3.5%すると試算した場合、年金を抜いた退職後の夫婦2人の出費が10年後には老後2800円問題、20年後には老後4000万円問題になると考えている。都内に暮らす64歳の男性を取材。3年前に定年退職した。月の年金は10万円ほど、ただ家賃が8万5000円なので、食費などの生活費を合わせると毎月赤字。そのためおととしから警備会社の契約社員として再び働き始めた。その仕事は渋谷駅周辺で路上喫煙防止のよびかけやたばこの吸い殻拾い。1日8時間週5日でおよそ20万円の収入があるという。若い世代からは「今よりは年金が減って大変になる。結構貯金しないといけないのかな」などと声が上がっている。
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