ニトリホールディングスが国内初めてとなる再生可能エネルギーの循環システムを本格稼働させた。店舗の屋根いっぱいに敷き詰められた太陽光パネルがニトリ発電所。屋根で発電した電力を店舗で使い、余った電力をニトリのほかの店舗や倉庫に融通する。再生可能エネルギーを普及させる国の制度を活用したこのニトリ発電所の仕組みは日本初。2030年度までに太陽光パネルを置ける国内180拠点の屋根をすべてニトリ発電所に模様替えし、800以上ある国内すべての店舗に電力を融通するとしている。ニトリ発電所の活用で将来的に年間の電気代を12億円ほど抑えられるという。また、廃材を活用した商品開発など持続可能なものづくりを打ち出すニトリにとって企業ブランドの向上にもつながるとみて導入を決めた。ニトリ発電所を支える重要なパートナーがスタートアップのサステック。店舗で発電してあまった電力はELICと呼ばれる発電予測のAIシステムを通じて、計画的にほかの店舗に融通することができる。この正確で効率的な発電予測技術のおかげで通常の太陽光発電に比べて3倍以上の温室効果ガスの削減が可能になるという。脱炭素を目指すサウジアラビアの大手企業と協業の検討を開始したほか、フィリピンやベトナムの企業からも協業の依頼を受けている。