米国で世界最大規模のテクノロジー見本市「CES」が開幕。こうした中、日本メーカーもSDVに力を入れている。会場で注目を集めたのが、ソニーホンダモビリティが発表した高級EV(電気自動車)。ホンダが持つハード面での製造技術とソニーが持つ映画やゲームなどのコンテンツ力。両社の強みを組み合わせ、新たなEVを世界に仕掛ける。高度な運転支援の機能を備えるだけでなく、エンターテインメントの機能も強化。自分の好きな映画やゲームをこの車のテーマに設定するとパネルやライトがゲームの世界観に変わり、作品はアップデートで増やすことが可能。EVのモーター音も映画やゲームのテイストで聴こえてくる。ソニーホンダモビリティ・水野泰秀会長は「新しいアップデートをしながら、新しい価値、いろいろなものを提供することが非常に重要」と述べた。最先端のAIを開発し、ライバルに差をつけようとしている。みずから考え提案する自律型のAIが、ドライバーの好みを先読みした行き先を提案。ゼネラルマネージャー・西林拓也さんは「ユーザーの気持ちを理解して問いかけることをテーマにやっている」と語った。まだ開発途上で、会話の内容が偏ることも。会社は、今回のCESに合わせて、米国で受注を開始。ライバルメーカーに挑む。ソフトウエアの開発が今後の自動車メーカーの競争力の鍵を握る一方、その開発費は巨額で、大手の自動車メーカーであっても大きな負担となっている。先月、ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議に入ると発表したが、巨額の開発費用を分担していくというねらいもある。時代の変化に適応し、存在感を示し続けられるのか。日本の自動車産業は今、まさに分水嶺にあるといえる。