東京都港区のおにぎり専門店・米農園。炊き立てのごはんにサケなどの具材を入れのりで包む日本のソウルフード。おにぎりに使用するコメの価格が去年夏ごろから急激に高騰。先月は5kgの平均価格が4000円を超え、去年の1.7倍。米農園は去年12月からおにぎりの価格を20〜120円値上げ。政府はきのう「備蓄米を21万t放出する」と発表。早ければ来月下旬にもスーパーなどに並ぶ予定。江藤拓農林水産大臣は「価格が落ち着くことを期待している」としているが「楽観視できない」という指摘もある。元農林水産省官僚で農政アナリストの山下一仁氏は「ことし夏には再びコメ不足になる可能性がある」と指摘。コメの価格を安定させるために生産量を調整する減反政策は2018年に廃止。「その後も国が示す需給見通しをもとに自治体が生産量の目安を決めていること、主食用米からの転作に補助金を出すことなどによって実質的にコメの生産調整をしている」と指摘する。さらに記録的な猛暑・インバウンド効果などが重なりコメ不足に陥った。そして別要因としていわれているのは本来コメを扱わない業者が買い占め売り時を探っている可能性。