滋賀・湖南市の木田さんはアルツハイマー型認知症を患う妻の介護を行う生活を送っている。2人は20代で結婚すると繊維関係の会社を営みながら暮らしてきたが、2014年に妻が認知症を発症してしまい、孫は学生であり娘は旦那の仕事が忙しいと介護を続けている。厚労省によると男性介護者は介護者全体の3割に上っているが、介護の果に虐待などの事件が発生してしまうこともあり、誰にも相談できずに抱え込んでしまうことが背景にあると見られる。その一方で滋賀県内には「中北の家」とよばれる男性介護者同士が胸中を打ち上げる場があり、木田さんもざっくばらんに話せるのはいいと振り返っていた。梅本さんも妻の介護を行っていて、どんなにつらくても妻が苦しんでいることをプライドから打ち明ける事ができずにいた中、男性介護者のつどいに足を運ぶと妻を施設に預ける決断ができたと言い、面会を行いながら過ごす毎日を送っている。そして、木田さんはつどいでの経験を経て家族総動員での介護を頼むことが出来るようになった。介護人口が増える中、介護する側への支援や相談のための環境づくりは重要な課題となっている。