中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は、主要な政策金利と位置づける短期の金利を近く引き下げるなど、追加の金融緩和に踏み切る方針を示した。これに伴って住宅ローン金利や企業向けの貸出金利も引き下げられる見通しで、不動産不況が長期化する中、住宅の購入や企業の資金繰りを支援し景気を下支えするねらい。預金準備率の比率を0.5%引き下げることで、潜在的な融資や投資のためにおよそ1兆人民元、日本円で20兆円余りの資金を市場に供給できる可能性がある。中国人民銀行は金融機関から一定の割合で強制的に資金を預かる預金準備率の比率を0.5%引き下げる予定でそれによりおよそ1兆人民元の長期流動性が銀行から金融市場に放出されることになる。また、商業銀行の資金調達コストを減らすため中国人民銀行は7日物の短期金利を現行の1.7%から1.5%に引き下げる。借り手の住宅金利ローンの負担を減らすため既存の住宅ローン金利も平均で0.5%幅程度の引き下げが見込まれる。新しい住宅ローン政策による恩恵を受けるのは、1億5000万人もしくは5000万世帯で全世帯が支払う利息を毎年1500億人民元も節約できる。