ノーベル平和賞を受賞した日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が都内で受賞の報告会を開き、被爆者の証言をさらに掘り起こすなど今後の活動方針を確認した。報告会には授賞式で演説した田中熙巳代表委員をはじめ、式に出席した代表団や各地の支援者などが参加した。田中代表委員は授賞式の演説で、原爆の犠牲者に対して日本政府による補償が行われていないことを2度にわたって言及した理由を「ほかの国にも共通している課題・問題じゃないかと。ここに目をつけてほしいと、ぱっと浮かんだ」と説明した。またノーベル委員会から当初はことしの授賞を検討していたものの被爆80年を前に被団協に活動を展開してもらうため授賞を前倒しにしたと伝えられたことを明かしたうえで、「そこまで考えてくれていることに感動し、非常に値打ちのある受賞だった」と述べた。このあと濱住治郎事務局次長が、今後求められる活動として、日本被団協や被爆者への理解を広げることや、被爆者の証言をさらに掘り起こし各国で証言会を開くことなどを挙げた。