シンガポールで開かれているアジア安全保障会議はきょう、最終日を迎える。アジア安全保障会議ではきのう、海上保安機関によるセッションが開かれた。この中で、フィリピン沿岸警備隊・ガバン長官は、南シナ海で中国海警局の船がフィリピンの船に対して放水銃を発射し、けが人が出たことについて、「放水をして火種を作るようなことは決してしてはいけない」などと非難した。また、米国沿岸警備隊・フェーガン長官は、フィリピン沿岸警備隊などへの支援を強化していく方針を強調。初めて会議に参加した海上保安庁・瀬口良夫次長は、「海上保安機関の船舶を現状変更の道具として用いることがあってはいけない」と述べた。会場のホテルには昨夜、ウクライナ・ゼレンスキー大統領が到着。到着後のSNSへの投稿では「世界で最も大きな国が国境や国際法、国連憲章も無視し、核による脅しに訴える状況では、世界の安全は達成できない」とロシアを非難した。ゼレンスキー大統領は、会議最終日のきょうのセッションで演説を行う予定。また、米国の国防当局者によると、オースティン国防長官との会談も行う予定で、現在の戦況について意見を交わすとしている。ゼレンスキー大統領が会議に対面で参加するのは、ロシアによる軍事侵攻が始まったおととし2月以降初めてで、ウクライナ東部でのロシア軍による攻勢で厳しい状況に立たされる中、さらなる軍事支援を訴えるものとみられる。きょうの会議では中国・董軍国防相が演説するほか、日米韓3か国の防衛相会談なども行われる予定。