高畑勲監督作品「火垂るの墓」は戦争の悲惨さを伝える映画として広く知られている。戦後70年の2015年6月29日、岡山市で講演した高畑勲監督は反戦映画ではないと話していた。鈴木敏夫らは高畑は反戦映画としてではなく、戦時の兄妹愛を描いたのだなどと伝えた。高畠監督は劇中でドロップ缶にこだわりがあり、原作で一度しか登場していないドロップ缶を何度も劇中に登場させていた。高畠監督の姉である菅原はドロップ缶が自分たちの戦時下の記憶と繋がっており、劇中でのシーンは自分たちの実体験が元になっているなどと明かした。2025年、8月15日、戦後80年の夏、今尚変わらず映画が語りかけるものがある。高畑は原作にはない主人公の幽霊を登場させており、その意図を生前に死んだ人々は死んだあとも生きて生きている人々を見つめているじゃないかと話している。