日本酒の現状を調査するため、東京・港区へ向かった。東京港醸造で13年前から酒造りをしている寺澤善実さんに話を聞いた。1910年、東京23区に64の酒蔵があったが、都市化の影響などによりすべてが廃業。東京港醸造の母体となった若松屋も1910年に酒造業を廃業したが、約100年ぶりに再開。今では東京23区で唯一の酒蔵。東京都内での酒造りならではのこだわりがあった。敷地面積は22坪と狭いが、4階建てのビルすべてを使い酒造を可能にしている。4階のベランダでは原料の米を蒸す作業をしていた。蒸したお米を3階に移動させる方法はパイプを使って落とす。日本酒造りにはこうじ菌や酵母を加えて発酵させる工程があるが、原料は米と水。水は東京の水道水を使用。東京の水道水は国の定めた水質基準を大幅に上回る良質な水。使えるものは東京のものを使うというこだわりでできた日本酒。