都内では4日連続となる夏日を観測するなど季節外れの暑さが続いている。気温の上昇とともに高まるのが食中毒のリスク。郷土料理「胡麻鯖」が親しまれている福岡では今、サバの生食文化に懸念が。サバなどに寄生するアニサキスが体内に入ることで発症するアニサキス食中毒の件数が急増。これまでは日本海でとれる魚に寄生したアニサキスは食中毒になりにくく太平洋側のタイプはなりやすいとされてきた。しかし先月、内閣府は日本海側にも食中毒になりやすいアニサキスがいると発表。アニサキス食中毒の件数を見ると全国的に増えた2018年、福岡県はそれほどの増加はなかったが2022年には前年の5倍近く増加した。全国の増加率をはるかに上回る数値に。アニサキスには冷凍や加熱などの処理が効果があるとされている一方、胡麻鯖のように生食ならではの美味しさを楽しむ料理もある。胡麻鯖を提供する店では包丁やふきんを細かく替える、黒いまな板の上でライトを照らしアニサキスの有無を目視で確認するなど徹底した対策を行ったうえで調理を行っている。なぜ日本海側で食中毒を発生しやすいアニサキスが増加したのか。アニサキスはクジラやイルカなどの体内で成虫となりその卵が便と一緒に海中へ排出されオキアミが捕食。それをサバなどが食べて寄生する。専門家は原因は調査中としながら「海水温の上昇とか海流の流路の変更がある。海水が熱くなっていってサバやクジラが上に上がっている。そういう時に食中毒になりやすいS型が増えていっている」と推測した。厚生労働省や現場の医師はアニサキス食中毒にかかった可能性があると思った場合は民間療法に頼らずすぐに病院へ行ってほしいと呼びかけている。