「冷蔵庫が冷やせるのは汗冷えと同じ仕組み」について、横浜国立大学の森下名誉教授が解説。人間が汗をかくと、汗に含まれる水分は水蒸気に変わって蒸発していく。この時、水分は蒸発するために周りの熱を奪う。これを気化熱という。水は、個体から液体に、液体から気体になるときに周りの熱を奪う。コップの中の氷が溶けて水になるとき、実は氷の周りの温度が下がる。これは、氷が水に形を変えるための熱エネルギーを周りの空気から奪っているから。そして、液体から気体になる時、1700℃を超える炎で加熱し続けても水の温度は100℃以上にならない。これは、炎から奪った熱エネルギーを気体になるために使い続けるため。汗も周りから熱を奪って気体になることで気体を冷やしている。これが、汗をかくと体が冷える理由。この液体から気体に変化する時、熱を奪うという性質を使って冷蔵庫を冷やしている。冷蔵庫には冷媒という液体にも気体にも変化する物質が流れていて、これが汗の代わりの役割をしている。