岐阜県の長良川はこの時期アユ釣りや水遊びで多くの人でにぎわっている。リバーダイビングインストラクターの深和英生さんはこの川で、体長30cmの北米原産外来魚・コクチバスを見たという。肉食で生息域が重なるアユなどが格好の獲物になってしまうという。1300年以上の歴史を誇るぎふ長良川の鵜飼への影響についても不安が広がる。岐阜県などが調べると、長良川に続く郡上市のため池などでコクチバスの繁殖が確認されたという。先週、釣り竿や網を持った県の職員らが集結し、コクチバスの駆除に乗りだした。約5時間で76匹駆除された。ため池の中にはまだコクチバスの稚魚とみられる個体が泳いでいた。岐阜県水産振興室の室長は、コクチバスがやってきたのは密放流であると考えているという。繁殖が確認されている別の川では生態系を守る取り組みが始まっている。馬瀬川下流漁業協同組合では、コクチバスを1キロにつき2000円で買い取っている、ことし4月からこれまでに買い取ったコクチバスは約845キロにのぼった。岐阜県は調査や駆除を続け、釣ったコクチバスは放流せず処分するよう呼びかけている。