チコちゃんが「なんで指揮者は指揮棒を振るの?」とクイズを出した。正解は図形を見やすくするため。玉川大学の野本由紀夫教授の解説。指揮者の仕事はテンポを示すこと。同じ曲・メロディーでもテンポが違うとまるで違う印象になる。少人数の演奏では演奏者同士のアイコンタクトでテンポを合わせるがオーケストラのように大人数だとテンポを合わせる指揮者が必要になる。バロック音楽の時代、作曲家ジャン=バティスト・リュリは大きなつえで舞台の床を打ちテンポを示していたが、あるとき自分の足を刺してしまいその怪我がもとで亡くなった。そういった危険性やつえだと余計な音が入る問題があり音を出さずにテンポを示す腕を振るというやり方が考え出された。指揮者はテンポ以外にも音楽の表情・強弱も演奏者に伝えるために空中に図形を描く。同じテンポでもシャープな図形のときと柔らかい図形のときで演奏者は表現を変えている。手だけでは小さい動きも棒を持つと拡大されるので演奏者に図形の表現が伝わりやすい。また指揮棒は先端に注意を集めどこで図形を描いているか分かりやすくする効果もある。指揮者は空いている手や体全体、顔の表情でも演奏者にイメージを伝えるがこれらの細かい動きにルールはない。世界の一流指揮者の動きをご覧ください。日本のクラシック界を支えた指揮者・山田一雄さんは時に飛び跳ねるほどパワフルなスタイルで勢い余って指揮台から客席に転落し指揮棒を振りながら舞台に戻ってきたという逸話も持つレジェンド。指揮棒は必ず持たなければならないというルールはなく指揮棒を持たないことで描く図形は小さくなるがその分繊細な指示が出せる。
住所: 東京都町田市玉川学園6-1-1
URL: http://www.tamagawa.jp/
URL: http://www.tamagawa.jp/