ことし1月の能登半島地震で被災した自治体は、避難所や2次避難などの対応に追われ、体調などを理由に在宅避難を選ぶ高齢者や障害者の実態把握や支援の開始に時間がかかった。在宅で避難する高齢者などへの福祉的な支援は、国が費用を負担する災害救助法の対象には位置づけられておらず、被災自治体や専門家から法改正を求める声が上がっていた。こうした状況を受け、政府が来年の通常国会で災害救助法を改正する方向で調整を進めていることが、関係者への取材で分かった。これまでは、避難所を中心として介護福祉士や社会福祉士などからなる災害派遣福祉チーム・DWATが、高齢者の体調確認や避難生活の悩みの聞き取りにあたってきたが、在宅で避難している人や車中泊の人などにも活動の範囲が広がることで災害関連死の防止につなげたい考え。