大相撲・初場所で横綱昇進、綱取りがかかるのが、大関・琴櫻と大関・豊昇龍。新たな相撲で最高位に挑む。今月3日、豊昇龍の初稽古はてっぽうから始まった。1日500回のてっぽうをみずからに課すなど基礎を見直すことで、前への攻めに磨きをかけようとしていた。きっかけとなったのは、去年の九州場所。自己最多の13勝を挙げた豊昇龍。優勝がかかった千秋楽の相手は、琴櫻だった。得意の投げを打つも琴櫻に耐えられ、惜しくも優勝を逃した。先場所の悔しさをばねに。場所前の稽古では、まわしにこだわらない前への攻めを意識していた。これまでは、無理な体勢からの投げがけがにつながると指摘されていた豊昇龍。けがのリスクの軽減にもなると、立ち合いから前に出ることを徹底。今週、稽古総見に臨んだ豊昇龍の相手は琴櫻。一気に持っていく相撲で相手を寄せつけない。自身より一回り大きい大の里相手にも。得意の投げ技を使わずに、16番取って12勝と綱取りがかかる初場所に向けて、上々の調整ぶりを見せた。豊昇龍は「もちろん負けたくない」と語った。2人が同時に横綱昇進した場合、昭和45年初場所後の北の富士と玉の海以来、55年ぶり。初場所は次の日曜日に始まる。