叡王戦第4局は藤井が勝ち、2勝2敗に持ち込んだ。最終局は藤井が先手となり、角換わりへと進めた。後手の伊藤はAIの分析で評価が高まっている守り重視の右玉の戦型をとった。藤井は77手目で銀をタダで渡してしまう6六銀直という通常では考えられない手を指し、伊藤の玉を追い詰める包囲網を作り上げた。形勢は藤井が93.3%となったが、伊藤は粘り続け105手目で藤井がミスを犯した。一手のミスを境に藤井の形勢は崩れ、藤井は敗れた。佐藤九段は人間は将棋を指すだけの機械ではない、変わりたいという藤井の思いもあったかもしれない、いろいろ交錯したからこそできたドラマだと話した。羽生九段はAIの影響は避けて通れないが自分なりのスタイルも必ず残されている、いかにオリジナリティのあるものを残せるかが問われていると話した。藤井は「伊藤さんが自分にない強さを持っていると感じた」「結果としては残念だったが刺激になることだった」と話した。伊藤は「実力はまだ藤井さんのほうが高い、そこは変わらない」と話した。