シール貼りが大好きなちいちゃん(17)。自閉症というコミュニケーションに困難さを抱えることが特徴の発達障害がある。障害が分かったのは4歳のころ。共働きの両親は様々な支援制度を使い育児と仕事を両立してきた。ちいちゃんは今年で18歳。成人になるが、母親のさほさんは不安だという。実は障害児の支援は児童から成人となる18歳で、これまで受けられていた支援が受けづらくなる「18歳の壁」がある。中でも大きな壁のひとつが夕方の居場所だ。現在ちいちゃんは特別支援学校で過ごしたあと、夕方まで施設で過ごす「放課後等デイサービス」を利用している。しかしこのサービスは原則として18歳を超えて学校を卒業するまでしか利用できない。学校卒業後はちいちゃんの場合、成人向けの福祉施設などに通うが、その終了時間は午後3時半ごろまで。それ以降過ごす居場所がなく、このままでは親のどちらかが仕事を辞めなければいけない可能性もある。ちいちゃんの今の精神年齢は3歳前後。少しずつできることが増えているが、18歳以降も1人で過ごすのは難しい状況だ。そこで同じ境遇にいる親たちとともに記者会見を行ったちいちゃんのお母さん・さほさん。親が働かざるを得ない状況にくわえ、成人の障害者施設で夕方まで過ごせる有料の居場所の仕組みなどの必要性を訴えた。障害がある人やその家族を含め、誰もが安心して暮らせる支援のあり方が問われている。