農林水産省は先月27日までの備蓄米の流通状況を発表。ことし3月に落札された21万トンのうち、1か月たって消費の現場に届いたのは全体の10%余りにとどまっている。群馬県大泉町の中学校では、ごはんに1割ほど麦を混ぜてコストダウンをはかっている。コメの仕入れ価格が値上がりの中、栄養・ボリュームある給食をと工夫を重ねる。農林水産省は「先月下旬は多くの卸売業者が備蓄米の精米や輸送にあたっている段階で小売業者には十分に行き渡っていなかった」としている。先月、集荷業者が卸売業者にコメを販売した際の「相対取引価格」を発表し、去年産のすべての銘柄の平均で60キロ当たり消費税込みで2万7102円と、前の月より5%値上がりとした。この秋の新米の価格を去年より3割ほど高く設定している米農家は、複雑な心境だという。今の価格は高すぎで喜べない、消費者が米離れになることが心配だとのこと。