相模原市の知的障害者施設で入所者ら19人が殺害された事件から昨日で10年が経った。現場となった津久井やまゆり園には遺族や住民など多くの人が献花に訪れ、犠牲になった人たちを追悼した。施設の元職員で園の近くに住む太田顕さんは、事件の風化を防ごうと住民たちとともに月命日に献花を続けてきた。その数は100階以上にのぼる。しかし10年が経ち、事件の記憶を繋いでいけるか不安をいだいている。当時津久井消防署の警備課長だった関口晃嗣さん。現場への指示や消防本部との連絡や調整に奔走した。隊員たちの救急活動の生々しい記録が残されている。本来多くの保存期間は5年で、期間がすぎると廃棄されていた。相模原市は事件の記録を公文書館に移した。記憶を後世につなごうと市は歴史的公文書として永久保存を決めた。保管されているのは主に消防が対応した活動記録。他にも死刑囚との事件前の面会記録や市民の意見など、事件に関する記録は約3000枚にのぼる。申請すればだれでも閲覧できる。現在に生かす取り組みも始まっている。事件後消防はけが人が多数の場合の対応を見直し、初動時点で多くの救急車・隊員を出動させるよう変更した。学習院大学の下重直樹教授は「被害を受けた人たちの行きた証、痕跡がしっかり残されている記録。非常に生々しいもので常にそこに問題意識を向けていくことが重要で、最も重要な材料になるのが記録された公文書などの資料」だと話した。
