シリーズで伝えている障害のある人の住まいを巡る問題。入所施設やグループホームなどに空きがなく待機せざるをえない障害のある人が全国で延べ2万人以上いることをきのう伝えた。こうした中、NHKと専門家が行った調査からは自宅などとは別の都道府県にある遠方の施設で暮らす知的障害のある人が全国で少なくとも7700人以上いることも分かった。その実態を取材した。東京から新幹線で3時間ほど青森市内の社会福祉法人が運営する施設。冬でも運動不足にならないように整備した体育館に。日中の活動をする作業室。利用しているのはみんな首都圏出身の人たち。この法人は青森市内で31のグループホームを運営している。およそ320人の入居者のうち7割に当たる240人余りが首都圏出身。その全員が重度の知的障害がある人。利用者の1人、宮澤玄太さん。重度の知的障害と自閉症がある。東京で生まれ育った宮澤さん。8年前にこの施設に入った。きっかけは母の幸江さんにがんが見つかったことだった。親が亡くなったあと息子はどう生活していくのか。強い不安を感じた。長く安心して暮らせる場所を見つけたいと施設を探したが、自宅のある都内を中心に30か所以上見学に行ってもすべて満員。さらにたとえ空きがあっても障害の重さから受け入れはできないと断られ続けた。ようやく見つかったのが自宅から500キロ以上離れた青森市のグループホームだった。幸江さんは2か月に1度は片道5時間かけて面会に訪れている。受け入れてもらったことに感謝している幸江さん。近くで暮らしたいという思いはあるが、息子の将来を考えると離れて暮らすしかない。
この法人には首都圏から入所を希望する相談が後を絶たない。首都圏出身者向けにバリアフリーのグループホームを新たに建設。重度の障害がある人を受け入れるため頻繁に研修を実施し、職員のスキル向上にも取り組んでいる。遠方の施設を利用している人の中には入所してから一度も面会できていない家族もいる。関西地方に住む40代の女性。重度の知的障害と自閉症のある娘は2年半前から東北地方の施設で暮らしている。夫が病気で仕事をやめ、女性がパートで生計を立てている。経済的に苦しく、旅費を工面できないため一度も面会ができていない。定期的にテレビ電話でやり取りをしているが、生活の様子を自分の目で直接見ることができず不安を感じる。
この法人には首都圏から入所を希望する相談が後を絶たない。首都圏出身者向けにバリアフリーのグループホームを新たに建設。重度の障害がある人を受け入れるため頻繁に研修を実施し、職員のスキル向上にも取り組んでいる。遠方の施設を利用している人の中には入所してから一度も面会できていない家族もいる。関西地方に住む40代の女性。重度の知的障害と自閉症のある娘は2年半前から東北地方の施設で暮らしている。夫が病気で仕事をやめ、女性がパートで生計を立てている。経済的に苦しく、旅費を工面できないため一度も面会ができていない。定期的にテレビ電話でやり取りをしているが、生活の様子を自分の目で直接見ることができず不安を感じる。