小池知事が告示日まで8日というタイミングで立候補を表明したねらいについてNHK首都圏の中村大祐記者は「本格的な選挙戦に向けた駆け引きの一環」とコメントした。前回、4年前の選挙の際は新型コロナの感染対策に取り組んでいたことなどもあり立候補の表明は告示の6日前だった。ただ今回は状況も違うため小池知事に近い関係者は先月下旬にも表明しようとしていたが、ほかの候補者の動向も踏まえて見送ったなどと話していた。小池知事の立候補表明で選挙戦は現職に対して蓮舫氏や石丸氏、小林氏、清水氏、田母神氏などが挑む構図は固まった。都議会の各党としては自民党、都民ファーストの会、公明党は小池知事を自主的に支援する方向で検討している。これに対し共産党、立憲民主党は蓮舫氏を支援する方針。日本維新の会は候補者を擁立せず対応は党員の判断に委ねる方針だ。今回の選挙の争点は小池知事の2期8年にわたる都政運営の評価が最大の争点になる見通しだ。選挙戦では東京都の去年の出生率が0.99と1を下回る中での今後の少子化対策や子育て支援の在り方、都が事業を認可し、反対の声も上がっている明治神宮外苑の再開発などを巡って議論が行われる見通しだ。さらに政治とカネの問題や物価高騰対策などについても論戦が交わされるものと見られる。一方で、ことし4月の衆議院東京15区の補欠選挙では選挙妨害事件があった。立候補予定者の関係者からは同じような行為が行われるおそれもあるとして街頭演説を多くできないのではないかと懸念する声も出ている。警視庁は取締本部を設置し2000人態勢で違反の取締りにあたる方針で、候補者による十分な政策論争とともに有権者が安心して判断できるような環境が欠かせない。