新年度予算成立。政府の予算案が衆参それぞれで修正されたのは初めてで、野党側の主張を取り入れざるを得ない、少数与党の難しさが表れたものだといえる。一方の野党側も、教育無償化や年収103万円の壁の見直しなど、それぞれがアピールしたい政策に固執するあまり、将来の国民負担の議論は深掘りされなかった印象が拭えない。後半の国会に向け石破総理にとっては綱渡りの政権運営が続く。党勢の回復が見通せなければ、石破総理では参議院選挙を戦えないという声が強まることも予想される。後半国会は年金制度改革や選択的夫婦別姓などが課題になる可能性があることに加え、トランプ政権の関税政策や物価高への対応も迫られる中で、国民の不安解消につながる政策を実行して、立て直しを図りたいところ。対する野党側は、石破内閣に対する不信任決議案を提出するかどうかが最大の焦点。予算審議では、野党の間で賛否が分かれ、企業団体献金の扱いでも、主張に違いが見られる。野党が結束すれば、決議案を可決できる状況にある中、参議院選挙もにらんでどこまで足並みがそろうのかが注目される。