きょう日本武道館で行われた、政府主催の全国戦没者追悼式には、全国の遺族の代表などおよそ4500人が参列。石破総理大臣は総理大臣としての式辞としては2012年以来となる「反省」という言葉を使用した。全国の遺族会の会員は、先月時点でおよそ35万世帯と減り続けていて、記憶の継承が課題になっている。天皇陛下のおことばでは去年とおととしは「これからも」としていたところを「戦中戦後の苦難を今後とも語り継ぎ」ということばに変えたうえで「私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願う」と話された。両陛下は近年、戦没者の慰霊などのため、先の大戦の象徴的な地域を訪ねられている。モンゴル公式訪問では、敗戦後、旧ソビエトによって抑留されてモンゴルに送られ、命を落とした人たちを慰霊された。戦後生まれの天皇陛下は、戦争の記憶と平和への思いを戦争を知らない世代に継承していくことの大切さについて、記者会見などで繰り返し語られている。昭和史に詳しいノンフィクション作家の保阪正康さんは「かなり主体的な意味の強い言葉」と評価した。追悼式に参列した人の中には、記憶を継承しようとする動きもある。鳥取県遺族会青年部の大河原昭洋部長は戦争体験者から直接話を聞ける最後の機会が差し迫っているとの危機感から、ことしから証言を映像に残しているという。
