きのう9月1日は防災の日で、今週は防災週間にあたる。先月は南海トラフ地震臨時情報が出て、改めて日頃からの備えが大切だと意識させられた。企業も強みの技術を防災に生かそうとしている。先月の地震で大きく揺れた宮崎・日南市にある介護施設。80人が利用していて、足が不自由な高齢者も多くいる。この地域では、津波の緊急避難場所として近くの高台が指定されているが、夜間、職員が少ない場合の避難誘導に課題がある。そこで施設は、避難が間に合わないと判断したときに備えて、駐車場にシェルターを設置した。中には20人が過ごすことができるスペースがあり、食糧や水を備蓄すれば最大で5日ほど暮らすことができる。シェルターは水に浮かぶのが特徴。重心を下に置く構造になっているため、波に揺られても元の位置に戻る。これを作ったのは、レーシングカーの開発などを手がける会社。100分の1秒のタイムを争う中で鍛えた、軽くて強い強化プラスチックを防災に応用できないかと考えた。特殊な技術を使って強度を高めたというシェルターもある。開発したのは、静岡の住宅メーカー。住宅の壁の強度を高めるために使う特殊な樹脂を塗っている。中身は発泡スチロールだが、自動車を上から落としても壊れない。普段は子どもの遊び場といった日常使いができる仕様にした。津波から身を守るためには、まずは高く安全な場所に避難することが鉄則だが、このような技術開発の進歩にも期待したい。