アメリカの軍用機の飛来状況について、国は公式に発表していないが、国土交通省に取材したところ、去年1年間に、全国の民間空港に着陸した回数は、計453回で、過去10年で最多となった。鹿児島県内の空港への着陸が201回と、前年比で90回増え、全体の約44%を占めていた。空港別では、屋久島空港が全国で最多の72回、奄美空港で67回など、離島の空港に集中している。このうち、屋久島空港については、おととしまでの10年間は、アメリカの軍用機の着陸は確認されていなかったが、去年11月に、屋久島沖で起きたアメリカ空軍の輸送機オスプレイの墜落事故を受けて、捜索活動のための人員などを運ぶ輸送機などが連日飛来していた。日米両政府は、去年1月、南西諸島などで、施設の共同使用を拡大し、共同訓練を増やすことを確認している。安全保障問題の専門家は、アメリカ軍が対中国を念頭に、南西諸島の空港への部隊の展開を進めていると指摘し、事故やトラブルが起きる可能性が高くなるのは否定できず、抑止力の必要性や軍事的理由だけで進めていくのは問題だなどとした。