日本企業が関わる去年までのM&Aの件数と金額をみると、今年の1月から9月の件数は前年と比べ19.4%増の3457件。金額も34.3%増の13兆2283億円といずれも顕著に増加している。金額のトップはルネサスエレクトロニクスによる米国のソフトウェア企業「アルティウム」の買収。2位は積水ハウスによる米国で戸建て住宅事業を行う企業の買収。3位は日本生命保険による資本参加と様々な業界でM&Aが行われている。日本の企業文化も変わりつつある。これまで日本企業の間では敵対的買収は否定的に受け止められてきた。しかし企業買収が活発な米国などに比べ日本企業の時価総額は総じて低いままで、その理由の1つが企業価値や生産性を向上させるような敵対的買収が少ないことが挙げられてきた。このため経済産業省は去年8月、企業価値を高めてM&Aの活性化を目指した行動指針を策定。これを受けて第一生命ホールディングスがベネフィット・ワンの敵対的買収に踏み切るなど動きが活発になっている。