奈良文化財研究所に保管されている木簡には「堅魚(カツオ)」と記され、伊豆や駿河から平城京へと運ばれていた。運搬するとなると約20日は要する。古代の食文化を研究する三舟隆之特任教授は「塩鰹」に注目。鰹の内蔵をとって塩漬けしたもので、1匹に2kgの塩を使う。切り身をご飯に乗せ、お湯を注ぐと塩味と旨味が抽出されて美味しいという。完成した塩鰹は毎年、富士山に奉納される。かつて、駿河湾では海面が真っ黒に染まるほど鰹の大群が押し寄せ、古代人からすれば命を繋いでくれる天からの贈り物と考えられた。そのため、多くの魚のなかで鰹は特別な存在に位置づけられているという。
平城京跡から出土した木簡から、鰹魚を煎じてスープにしたものを天皇や限られた貴族たちが食していたと読み取れるという。伊豆、駿河の海沿いで土器が多数出土し、採取した成分を分析すると、海由来の生き物であることがわかった。土器でつくった煮汁をさらに煮詰めた「堅魚煎汁」とはどういうものか、三舟特任教授、栄養学に考古学の専門家、カツオのプロフェッショナルの協力のもと、再現を試みた。海水を煮詰めて塩分濃度を上げ、長期輸送にも耐えられるものにしたと考えられる。15%だと常温でも腐敗しにくい。再現実験ではガス、鉄製の鍋を使ったが、古代だと大量の薪、ひび割れのリスクがある土器が使われたと考えられ、かなりの重労働だったと思料される。
平城京跡から出土した木簡から、鰹魚を煎じてスープにしたものを天皇や限られた貴族たちが食していたと読み取れるという。伊豆、駿河の海沿いで土器が多数出土し、採取した成分を分析すると、海由来の生き物であることがわかった。土器でつくった煮汁をさらに煮詰めた「堅魚煎汁」とはどういうものか、三舟特任教授、栄養学に考古学の専門家、カツオのプロフェッショナルの協力のもと、再現を試みた。海水を煮詰めて塩分濃度を上げ、長期輸送にも耐えられるものにしたと考えられる。15%だと常温でも腐敗しにくい。再現実験ではガス、鉄製の鍋を使ったが、古代だと大量の薪、ひび割れのリスクがある土器が使われたと考えられ、かなりの重労働だったと思料される。
