先週の騰落率ランキングを紹介。業種別騰落率の下落率トップは原油安が響く鉱業だった。上昇率では、原発再稼働の思惑から電気・ガス業が1位となった。先週の下落銘柄5位のゼンショーホールディングスは、11月に上場来の高値を更新した直後、公募増資を発表。M&Aなどさらなる成長に向けた拡大戦略の一環と見られるが需給不安が続く。下落率2位のエムスリーについて、岩井コスモ証券の林卓郎さんは「TOB実施中のベネフィット・ワンに対し、第一生命が対抗的なTOBを発表。買収の成否が不透明となったことに加え、追加的な財務負担が警戒され、約4年半振りの安値を付けた」と話している。先週の上昇銘柄7位のTOPPANについて、林さんは「医療や半導体分野で中期成長力の向上に向けた動きが加速しています。先週は有機ELディスプレイのJOLEDの買収で、次世代半導体パッケージの量産ライン構築を発表して一段高しました。PBR1倍我銘柄でもあり、資本効率改善に向けた動きを評価する展開で、約24年ぶりの高値水準を回復しました」などと話している。上昇率1位のベネフィット・ワンをめぐり、エムスリーと第一生命ホールディングスが、それぞれPOBを表明する事態となっている。買取価格引き上げなどの思惑から、株価は一段高となった。今週の動きについて、林さんは「今週はアメリカのCPIやFOMCをにらみ、金利動向が一段と注目されそうです。利上げ終了の観測が定着すると見られる一方で、今後は景気減速の度合いや利下げ開始のタイミングに焦点が移行する見通し。翌週の日銀会合に向けて政策変更の観測がより強まれば、円高継続で株価の上値を抑える可能性がある一方、やや前のめり気味の期待が剥がれ、年末相場の修正高に向かう期待もありそう」などと話している。