地球温暖化を防ぐ役割を担ってきたとされるブラジル・アマゾンの熱帯雨林。今年の気候変動対策を話し合う会議「COP30」はこのアマゾンで開かれる。ただ対策に後ろ向きな姿勢とアメリカ・トランプ政権の誕生で早くも逆風。そんな中ブラジルのルーラ大統領はきのうから国賓として日本を訪問。ブラジルはどのようにCOP30に臨もうとしているのか、現地から報告。ルーラ大統領は2030年にアマゾン熱帯雨林の破壊をゼロにする目標を打ち出しボルソナロ前政権下で停止状態だった熱帯雨林保護のための基金を再開している。COP30開催地のアマゾン近くにあるベレン、パラ州バルバリョ知事は「世界最大の熱帯雨林アマゾンで開催されるCOP30は森林の課題とそこで暮らす人のニーズを理解しながら環境問題を議論するよう呼びかけるものとなる」などとした。カカオ栽培農家のイゼチ・コスタさんは森の木を残しながら様々な種類の果物を栽培し自然の生態系を保とうとしている。コスタさんはCOPを通じアマゾンに住む人の暮らしも考慮しながら森林保護や気候変動対策の議論をしてほしいと願う。地元の人たちが進める保護の取り組みの一方森林伐採は止まっていない。アマゾンの森林破壊の規模は去年6288平方キロメートルに及ぶ。衛星データやAIを活用し森林破壊の分析を行う団体Imazonは”森林伐採が経済活動と結びついているかぎりアマゾン奥地まで広がり続ける”と警告した。ルーラ大統領の元ブラジル政府は違法な森林破壊の取締を強化してきたが広大なアマゾンでの活動にはさらなる資金が必要だという。ルーラ大統領は今回のCOPを通じ先進国により積極的な関与を訴えたいとした。