全国各地で行われている発掘調査の成果を紹介する巡回展が、ことしで30年を迎えた。高橋俊雄解説委員が「展示は1995年にスタートし今回が30年目。今年度は今月8日から千葉市の千葉県立中央博物館で始まり、その後4つの博物館を回る。群馬県の古墳から出たハニワなどが展示されている。巡回展で紹介してきた遺跡の数は今回も含めて750余り。この30年にわたる展示の積み重ねというのは、日本列島での主な発掘調査の歴史そのものといえる。1995年には縄文時代の大規模な集落跡、青森市の三内丸山遺跡が取り上げられ、縄文ポシェットと呼ばれる袋などが展示された。1999年には奈良県の黒塚古墳。2022年には明治初期の鉄道遺構、東京の高輪築堤跡などが紹介された。一方、この展示を振り返ると、この30年間の文化財行政をめぐる変化や課題も見えてくる。2010年の特集は2つの壁画古墳、奈良県飛鳥村の高松塚古墳とキトラ古墳。いずれも壁画の痛みが激しく、古墳の外に出すという作業が行われた。2012年には前の年に起きた東日本大震災で被災した文化財の保護について特集している。災害と文化財というのは大きなテーマとなり、その後2016年の熊本地震で被害を受けた古墳なども紹介している」とスタジオで述べた。