中国のドラゴンボートは、地元の人に限らず、外国から来た人が漕ぎ手として参加する大会も各地で開かれ、海外との関係をとりもつ役割も果たしている。中国では、長引く不動産市場の低迷が経済の懸念材料となるなか、景気回復につなげる手段のひとつとして、海外からの投資を強く促している。広東省・仏山も日系企業が多く進出する地域のひとつで、地元政府としては、地域を支えるには、今後も日系企業の力が必要だとして、ビジネス以外の場でも良好な関係を維持するための機会として、大会の開催を歓迎している。若者の失業率が高止まりし、景気の先行きに不透明感が広がるなか、習近平指導部は、中国で発展した独自の伝統文化について、中華民族の精神的な生命線であり、自らの足で立つための強固な基盤だと強調している。伝統文化を通じて、国への誇りや愛国心を高めることで、人々の自信につなげる狙いもあるとみられる。建畠は、政治的な意向があるとしても、地域に伝わるドラゴンボートを純粋に楽しむ人々の姿があり、盛り上がりや熱量は、国の違いに関係なく、共通のもののようだなどと話した。