上海協力機構の首脳会談が行われたカザフスタン・アスタナからの中継。今回の上海協力機構の首脳会談に関してロシアからは欧米側への対抗軸を示す機会になったとして、歓迎していると見られる。プーチン大統領はかねてから、米国主導の国際秩序に異議を唱えてきた。この2日間、プーチン大統領は中国の習主席をはじめとして、各国首脳と精力的に会談を重ねて、連携を誇示してきた。さらに今回、この上海協力機構の枠組みには、同盟国のベラルーシが正式加盟し、去年はロシアを軍事的にも支援してきたイランも加わって、欧米の対抗軸としての色合いが一層鮮明になった形。一方でウクライナ侵攻を巡って全面的な支持があるわけではない。中国は軍事支援には慎重で、ロシアの裏庭ともされる中央アジアの国々の中には、距離を置く国も出てきている。中国にとって上海協力機構というのは、米国主導の国際秩序への対抗という戦略を推し進めるための重要な場だという位置づけ。中国は先月のウクライナの和平案を話し合う平和サミットも欠席するなど、ロシア寄りの姿勢を取ってはいるものの、完全な一体化は避けたいと考えていると見られる。景気の不透明感が拭えない中、欧米を含めた海外からの投資は増やしたいところ。中国は対立する米国を強く意識して、ロシアとは協力する一方、欧米から得られる経済的メリットを享受しようと、難しい外交を展開しようとしている。