米国・サリバン大統領補佐官の中国訪問はバイデン大統領の就任後初めてとなる。そして、米国の安全保障政策を担当する大統領補佐官が中国を訪問するのは2016年以来、8年ぶりとなる。中米関係は去年2月、米国が上空を飛行した中国の気球を撃墜したことで一段と悪化したが、その後サリバン大統領補佐官と王氏がウィーンやマルタなどで会談を重ねてきた。去年11月にはサンフランシスコでバイデン大統領と習近平国家主席の米中首脳会談が実現した。米中が台湾や南シナ海情勢などで対立を深める中でも両国が誤解による偶発的な衝突を避けるために対話のチャンネルを重視しそれが機能している表れだと捉えられている。今回の会談の目的にはバイデン大統領と習主席の年内の首脳会談の地ならしもあると伝えられている。バイデン大統領は残り任期5か月を切っているが、少なくとも任期中は米中関係をこのまま管理していくことを強調したいものとみられる。中国の狙いについて中国メディアは専門家の見解として「次の米国大統領が誰になろうと、米中関係を揺るがすことは望ましくないという考えを伝えようとしている」としている。一方、大統領選挙のあとも米中がこのまま高いレベルでの対話のチャンネルを維持できるかまた、維持できたとしてもどう機能するかどうかは不透明でサリバン補佐官と王外相の会談の議題にもなりそう。